当院で経鼻インフルエンザワクチン(フルミスト)を接種される方へ

特徴

フルミストとは、注射ではなく鼻に噴霧するタイプのワクチンです
痛みを感じることがなく、特に注射を怖がるお子さんには負担の少ない方法です
このワクチンは、インフルエンザウイルスを弱毒化した生ワクチンで、ウイルスの入り口である鼻の粘膜に直接免疫をつけることができます

アメリカでは2003年から、ヨーロッパでは2011年から広く使われており、日本でも今シーズンから使用可能となりました

メリット

痛みがない
1回の接種で完了
予防効果が長い
効果はおよそ1シーズン続くとされています。鼻の粘膜に直接免疫をつけるため、従来の注射型ワクチンよりも高い予防効果が期待できるといわれています

デメリット

カゼのような症状が出ることがあります
接種後1週間以内に、30〜40%の方に鼻水や咳などの風邪のような症状や発熱がみられることがあります
迅速検査で陽性反応が出ることがあります
生ワクチンのため、接種後2週間はインフルエンザの迅速検査で陽性になる可能性があります
接種前後において、タミフルなどの抗インフルエンザ薬の使用を控えていただく必要があります
接種前48時間(ゾフルーザは17日)~接種後2週間は、抗インフルエンザ薬を服用するとフルミストの効果が減弱する可能性が指摘されています(該当される方はご連絡ください)

注意点

鼻閉がある場合、効果が十分に発揮されない可能性があるため、症状が軽減してから接種することをお勧めします

以下の方には接種できません

満2歳未満と19歳以上の方
喘息のコントロールが十分ではない方
インフエンザの成分(鶏卵、ゲンタマイシン、ゼラチン、アルギニン)に対して重度のアレルギーがある方
心疾患、肺疾患・喘息、肝疾患、糖尿病、貧血、神経系疾患、免疫不全などの慢性疾患をお持ちの方
免疫不全の方や免疫不全の方と接触する可能性が高い方
アスピリンを服用している方
妊娠している方
 

その他

接種後に鼻漏やくしゃみが見られても再投与の必要はありません
注射型のワクチンと比較して、メリットだけがあるワクチンというわけではないことをご理解いただきますようお願いします

参考

経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの使用に関する考え方(医療機関向けです)

日本小児科学会